証券会社や銀行・IFAが販売している仕組債について、投資リスクや利回り、手数料についてわかりやすく解説しています。
仕組債を担当者に言われるがまま購入しているが、商品性やリスクについてイマイチよくわかってない…こういった方向けに仕組債についてわかりやすく解説します。
仕組債とは?
仕組債は、欧米ではストラクチャード・ボンドといい、そのまま訳すと「組み立てられた債券」という意味になります。
文字通り、債券の一種である金融商品であることは理解できますが、通常の国債や社債とは商品性やリスクは全く別物と考えて良いです。
仕組債には多くの場合、デリバティブ(金融派生商品)が内包されています。
このデリバティブと呼ばれる金融商品は、先物やオプションなどが代表的な取引になりますが、投資家のニーズによってさまざまな取引がされます。
つまり、仕組債とは「通常の債券よりもハイリスクな複雑な金融商品」であり、本来は投資初心者が買うことは想定されていない、少し高度な商品ということになります。
そして、仕組債は「公募仕組債」と「私募仕組債」の2種類に分類することができます。
仕組債の種類は大きく2種類
仕組債は大きく「公募仕組債」と「私募仕組債」の2種類に分類することができます。
公募仕組債
公募仕組債とは、不得多数の投資家に対して勧誘(公募)される仕組債のことを指します。
あらかじめ、証券会社(金融機関)側で商品の条件を決定し、その商品をホームページで公表したり営業員が勧誘し、商品を買いたい投資家を募集します。
不特定多数の投資家を対象とする商品なので、一般的には商品性やリスクがわかりやすいものが多く、シンプルな条件になっている商品が多いです。
私募仕組債
私募仕組債とは、特定の投資家に対して勧誘される仕組債です。
公募仕組債とは異なり、私募(50人まで)を対象とする勧誘を前提としていますので、オーダーメイドやそれに近い条件になるケースが多いです。
実務的には、1人の顧客のニーズに応じて発行することが多く、条件はその投資家もしくは担当者の意向が反映されることになります。
私募仕組債は、ネットに何も情報が出てないため、その私募仕組債がどれくらい投資家が有利であるのかは分かりにくくなっています。
独特な商品性である仕組債
仕組債の商品性は、その条件によって全くことなるので一概には説明できませんが、ここでは証券会社やIFAが販売する代表的な仕組債である「株式転換条項付き債券」について解説します。
株式参照型
仕組債を組成する際に、あからじめ対象となる株式を選びます。
そして、対象の株価がどう動くかによって、仕組債の利率や償還方法などが変わってくるという商品性です。
最近、証券会社や銀行・IFAが販売する仕組債の多くは、このうちのある条件(ノックイン)を満たすと満期償還時に現物株式として償還するものです。
ノックイン
ノックインとは、「満期償還時に株式として召喚するトリガー」とも言われます。
すなわち、当初の債券ではなく株式としての金融商品に切り替わる、極めて重要な条件です。
よくある条件としては、「当初株価の〇〇%」としていることが多く、仕組債を購入した時を100%としてスタートし、60%や70%というように、キリのいい数字であることが多いです。
満期償還
満期償還
仕組債が満期償還する時に、その償還方法は3パターンあります。
- 100%(当初の金額と同じ)で償還する
ノックインが発生せずに、満期償還日を迎えた場合、商品としては債券のままですので、国債や社債と同じように投資した金額がそのまま返ってきます。
この場合、保有していた期間に受け取った金利が投資家の利益となります。 - 現物償還
ノックインが発生し、満期償還日を迎えた場合、商品としては株式に変換されますので、参照していた株式として償還します。
この場合、仕組債購入時の株価を100%とした上で、満期償還時の株価の水準を評価し、償還する株数を決定します。
この辺りはケースバイケースで複雑なので、かなりざっくり説明すると、
スタート時に2,000円の株価が満期償還時に1,400円になっていた場合、マイナス30%ということになりますから、仮に仕組債購入金額が1,000万円であれば、700万円になるように対象の株式が入庫されるということです。
要するに、投資した元本は返って来ずに、高値で掴んだ株式が返ってくるということになります。
まとめ
「仕組債」は一言で説明することはできず、かなり販売する証券会社や銀行・IFAによって商品性が異なります。
仕組債購入時は、よくわからずに購入するのではなく、リスクの部分についてよく説明を受けた上で検討されることをお勧めします。
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